白濁色の湯と名物デザート
第641回よその旅館ホテル
──明礬(みょうばん)温泉は別府八湯のひとつですね。
「別府八湯でも珍しい硫黄泉です。青磁にもたとえられる青みを帯びた白濁色の湯は、柔らかな肌触りの魅力的な温泉です」
── 温泉街にある湯の花小屋は風情がありますね。
「わらぶき屋根の湯の花小屋では、『湯の花』と呼ばれる純度100%の天然入浴剤を作っています」
「『湯の花』はアルミニウムと鉄の硫酸化合物である鉄明礬石の結晶のことで、江戸時代から続くその独自の製法は、別府市無形文化財と国の重要無形民俗文化財に指定されています。温泉街にある遊歩道を歩くと、明礬独特のにおいの中、湯の花小屋が立ち並ぶ風景を見られます」
──旅館のお風呂は。
「春はツツジを愛で、冬はザボンを浮かべるなど、四季折々の表情を見せる庭園露天風呂が人気です。自然と一体になり、身も心もゆったりと過ごしてもらいたいです。宿が高台に位置しているため、扇状地である別府市街地から別府湾、その先の大分市まで見渡せる眺めのよさも自慢です」
──名物デザートも有名ですね
「『地獄蒸しプリン』」は、当館直営の岡本屋売店の人気商品です。苦みが効いたカラメルと濃厚な味わいがくせになるプリンです。一つひとつ手作業で仕上げ、温泉のスパイスがぎっしり詰まっています。ほかにも、『温玉うどん』やシンプルな『塩玉子』もあります。岡本屋売店では、明礬温泉の情緒ある景色を眺めながら食事を楽しめます」
──お部屋は。
「古きよき温泉旅館の風情を感じられる、落ち着いた和の空間です」
──1泊2食の料金は。
「1室2名さまで1人1万3650円からです」
【16室、定員51人】